晴れ時々走れ

マラソン、トライアスロン、人生について

京都マラソン2018①単位とれない夢

3年ぶりに京都マラソンに出場しました。京都は学生時代に4年+1年、過ごした街です。

 

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僕らの学生時代は、まだ古き良き頽廃的な雰囲気が残っていて、先生も学生もいい具合にいい加減で、学生が講義に出席しないのは当たり前であり、4月の授業で大教室にいっぱいいた学生はウルトラクイズのごとく、どんどん減っていき、もれなく自分もその落伍者の仲間入りを果たしました。

先生も決して思いやりに溢れて教育熱心な方々ではなく、授業について来ている者、やる気のある者だけを相手にして、どんどん進んでいきます。もしくは誰も相手にせず、一人の世界に没入してブツブツと呟いています。

 

たまに「このままではいかん」と思い、やる気を出して授業に出席してみると、内容があまりにチンプンカンプンで理解できずに衝撃を受けます。黒板に書いてある数式は意味不明で、まだアラビア語の授業の方が理解できるのではないかとさえ思いました。

このとき、初めて、小学校や中学校で授業についていけなかった同級生の気持ちが分かりました。勉強が分からない、理解できない、ということは本当に辛いことです。心が削られて情けなくなります。幼かった当時の僕はそうした友達を助けるわけでもなく、一人で知る喜びを楽しみ、テストで良い点をとることに生き甲斐を感じ、些細なミスを嘆く完璧主義の嫌な奴だったのでした。

 

でも、不思議な大学で、授業も出ずにいるのに単位だけはもらいました。毎年、同じ試験内容だったり、何でも持ち込み可能だったり、時には友達に答えを教えてもらったりしたからです。試験対策の情報と人付き合いこそが、単位を獲得するためのカギでした。

 

そうして何も知識を身につけないまま卒業するのですが、心は正直です。学生時代の散々な体たらくに負い目を感じているのです。

 

そのためなのか、卒業後、かなりの頻度で!単位を落として卒業できない夢を見るのです。今もそうです。夢にはいろんなバージョンがありますが、大体はこういうパターンです。無事に就職が決まったのに、単位を数えたらどうしても足りない。頭が真っ白になり、脂汗をかきながら右往左往します。留年したら、次は絶対に内定なんかもらえない。どうしよう、どうしよう?

同じような夢を何度見ても、その度に焦って、慌てて、困り果てている自分がいます。寝汗もなかなかのものです。

 

フロイトなどの夢分析は詳しく知りませんが、大学時代のだらしない学生生活が、自分の深層心理にコンプレックスとして刻まれているのでしょう。一瞬のトラウマでしょうか。

 

そうした駄目でどうしようもない自分を思い出す京都ですが、そんな自分に対しても温かく包み込んでくれる度量の深さがあります。東京や大阪にはない優しく緩やかにはんなりと流れる空気です。分かりやすく言うと、観光客には厳しくても、学生には優しい街なのです。元学生に対しても。

 

沿道ではお世話になった学生寮の寮母さんがマラソンの応援に来てくれました。だらしない自分を始めとした学生のために毎日、毎日、栄養豊富なご飯を作って下さりました。そして、良い年のオッサンになった今も、まるで母のように優しく接してくれます。

 

フィニッシュ後に寮までご挨拶に伺ったら、お土産をもらいました。「面白いものがあるのよ」と嬉しそうにお茶目な笑顔で渡されたのは大文字山をかたどったパンです。なんだか勿体無くてすぐには食べられませんでしたが、なかなか食べ応えがあり、抹茶スポンジと小豆の組み合わせがとても美味しかったです。

 

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京都に来る度に思います。お世話になった方々のためにこれからはもう少し頑張ろう。そして、どんな分野でも良いので、何だか無性に勉強をしたくなるのでした。

 

レースについての話が出てきませんでしたが、それは、また次回に。

 

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