晴れ時々走れ

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【本庄ハーフマラソン】雨、桜、再会

桜がきれいな写真に惹かれて、第21回本庄早稲田の杜クロスカントリーハーフマラソンのハーフの部にエントリーしました。ところが、当日はまさかの春の嵐。風が吹き荒れて、桜吹雪が舞い、地面には散った花びらがびちゃびちゃになって貼り付いていました。

 

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悪天候の中、はるばる旅費と時間をかけてやってきたことを一瞬、後悔しましたが、今回はなんとしても参加しなければいけない理由がありました。実は20年来、会っていない友人が大会パンフレットの参加者名簿で私の名前を見つけてメールを送ってきてくれたのです。

 

レース前は慌ただしく時間がなかったので、後で会う約束をメールしてスタート。河川敷を出てすぐの折り返し地点で、土手の上から下に向かって、私の名前を呼ぶ声が響きました。下の名前で呼ぶのは昔からその友人くらいで、その響きに懐かしい気持ちになりました。声の雰囲気は変わっていません。おそらく第三者が聞くと年相応に変化しているのでしょうけれど、友人の立場で聞くと当時とまったく同じように聞こえます。きっと声の表情のうち、どこか変わらない部分を感じ取っているのでしょう。

 

「久しぶり!」と一声エールを返して、20年ぶりの再会がマラソンでのすれ違いという状況に可笑しさを覚えながらレースに集中します。

 

河川敷を緩やかに上っていきますが、その勾配と、正面から受ける強力な向かい風に難儀します。しばらく走り込んでいなかったこともあり、呼吸が苦しい割にペースが上がりません。水たまりも多く、靴はびちゃびちゃです。それでも、途中から現れる桜並木があまりに見事で、目が覚めるような思いでした。

雨煙のなか風に枝を揺らす桜は艶やかで、どこか異世界に連れて行かれそうな妖しさがありました。雨の桜を残念にばかり思っていましたが、この景色を見られただけでも参加した価値があります。

苦しんだ前半でしたが、後半は逆に緩やかな下りと追い風です。この頃になると前後にランナーはおらずに単独走でしたが、1キロあたり20秒くらいペースアップ。桜並木がどんどん後ろに過ぎ去っていきます。本当に異世界に入ったかのように気持ちよく駆け抜けました。

結果はぼちぼちのタイム。ベストタイムではありませんが、4年ぶりのハーフマラソンにしては上出来だと思います。

 

レース後、友人と会いました。20年ぶりにしてはごくごく自然に話が始まりました。ただ、どこから話をしていいやら、何から聞いたらいいやらブランクを埋めるためのペース配分がつかみかねてレース後の食事の時間はあっという間に過ぎました。結局、たいした話はできませんでしたが、お互い元気だということが分かりましたし、今後は会おうと思ったらすぐに連絡をとれます。

 

日々の生活に追われていると、毎日のページがどんどん更新されていきます。古いページの登場人物たちには会おうと思えば、連絡さえとれば良いわけですが、結局、何かきっかけがないと簡単な行動もできない大人になりました。20年ぶりに「あした、ヒマ?用事ないんだけれど、会わない?」なんて、中学生のような会話は到底できないわけで。

 

そういう意味で、友人が私の名前を見つけてくれて、さらに連絡してくれたことに本当に感謝したいです。今回の連絡がなかったらもしかすると一生会わなかったかもしれない。そして、自分も友人も今回が初参加でエントリーした巡り合わせにも感謝です。

さらに、友人の家族が沿道で応援してくれていたことも本当にありがたく感じました。突然、名前を呼ばれてびっくりしましたが、中学時代に電話口や玄関で聞いた声をなつかしく聞きながら過ぎ去りし日々を暖かく思い出しました。

 


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