肉離れリハビリ記③総括
11月上旬に痛恨の肉離れを起こして以来、故障の連鎖反応という無間地獄が続いて、今シーズンはまともに走れないと半ば覚悟しましたが、目標としていた別大マラソンでベスト更新という思いがけない結果に恵まれました。そこで、肉離れに苦しむ皆さんに少しでも参考になればと思い、リハビリ記の総括をします。
休んで治すか、走りながら治すか
今回の治療方針として、2つの選択肢がありました。
- しっかり休んで完治して、トレーニングを行う。
- トーレニングをしながら、治していく。
選択肢1のメリットは肉離れ再発の心配がないこと。デメリットは休んでいる間に脚力や体力を落としてしまうこと。
選択肢2のメリットは脚力や体力を維持できること。デメリットは治すのに時間がかかり、肉離れ再発の危険性もあること。
選んだのは選択肢2でした。戦略的な理由があったわけではありません。11月に大阪マラソン、12月にNAHAマラソンにエントリーしていたので、何とか走りたいと思い、ズルズルと練習を続けてしまったわけです。そのたびに、患部や周辺を痛めることを繰り替えしてしまいました。そして、当然のごとく、秋のシーズンを棒に振ってしまいました。
もし、最初から選択肢1を選んでいれば、全治1ヶ月として12月中旬からは練習を積むことができたと思います。そこから2ヶ月近くあれば、徐々に走り込んで充分にベストコンディションに近づけることはできたと思います。もし、他のランナーが同じような状況に陥っていたら、基本的には選択肢1を勧めます。その理由については、次の項目で述べます。
故障、また故障の無間地獄
今回の負傷箇所をもともと左ハムの裏側、お尻の付け根のあたりでした。奥の方にズキンと鈍い痛みがあり、歩くことはできましたが一時期はジョグもできませんでした。それから徐々に治ってきたのですが、完治しないまま走ると故障の連鎖反応が起きてしまいます。
気がつくと右側のハムの付け根が痛むようになりました(実はここに古傷がありましたので、その影響があると思います)。さらに、新しい箇所も痛むようになってきました。走るたびに痛む箇所が徐々に下がっていきます。
左ハム→右ハム→右ふくらはぎ→右くるぶし上といった具合です。おそらく、知らず知らずに負傷箇所を庇いながら走っているので、他の部位に負担がいくのでしょう。最初の故障から2ヶ月後は当初とまったく違う場所の痛みに苦しんでいました。また、元々の故障箇所も鈍い痛みは残っていて、再発の心配は常にありました。
やはり、しっかり治してから走ることが大事だと思わされました。
故障レベルの推移
今回は日々の故障レベルを採点しました。客観的な評価軸を定めるのは無理なので、あくまで主観的な感覚です。点数は0点から10点で基準は以下の通りです。
0点・・・まともに歩けない
1点・・・歩くことはできる
2点・・・2kmジョギングできる
3点・・・5kmジョギングできる
4点・・・10kmジョギングできる
5点・・・20kmジョギングできる
6点・・・30kmジョギングできる
7点・・・42kmジョギングできる
8点・・・PB30分以内でフルマラソン完走
9点・・・PB15分以内でフルマラソン完走
10点・・・PB狙ってフルマラソン完走
故障してからの得点を表にしてみました。Rはランニング、Sはスイム、Stはフィットネスクラブでのスタジオレッスンです。また、▼はトレーニング後に再び負傷してしまった印です。
練習内容 | 得点 | ケガ | ||
---|---|---|---|---|
11月9日 | 金 | R16km | 1 | ▼ |
11月10日 | 土 | |||
11月11日 | 日 | |||
11月12日 | 月 | |||
11月13日 | 火 | |||
11月14日 | 水 | |||
11月15日 | 木 | |||
11月16日 | 金 | |||
11月17日 | 土 | S2.7km | ||
11月18日 | 日 | R2.7km | 2 | |
11月19日 | 月 | R2km S1.4km | 2 | |
11月20日 | 火 | |||
11月21日 | 水 | R10km St | 4 | |
11月22日 | 木 | |||
11月23日 | 金 | R10km | 4 | ▼ |
11月24日 | 土 | S2.7km | ||
11月25日 | 日 | R2km S1km | 2 | |
11月26日 | 月 | St | ||
11月27日 | 火 | St | ||
11月28日 | 水 | St | ||
11月29日 | 木 | R8.8km St | 3 | |
11月30日 | 金 | R11km | 4 | |
12月1日 | 土 | S2.6km | ||
12月2日 | 日 | |||
12月3日 | 月 | S1.7km | ||
12月4日 | 火 | |||
12月5日 | 水 | R13.8km | 4 | |
12月6日 | 木 | |||
12月7日 | 金 | |||
12月8日 | 土 | |||
12月9日 | 日 | R17.3km S1.8km St | 4 | |
12月10日 | 月 | |||
12月11日 | 火 | |||
12月12日 | 水 | R20km | 5 | |
12月13日 | 木 | |||
12月14日 | 金 | |||
12月15日 | 土 | R25.6km | 6 | |
12月16日 | 日 | R24.7km | 7 | |
12月17日 | 月 | |||
12月18日 | 火 | |||
12月19日 | 水 | |||
12月20日 | 木 | R8.9km St | 7 | |
12月21日 | 金 | |||
12月22日 | 土 | R11.2km | 8 | |
12月23日 | 日 | S1.8km | ||
12月24日 | 月 | R27.2km | 5 | ▼ |
12月25日 | 火 | |||
12月26日 | 水 | |||
12月27日 | 木 | |||
12月28日 | 金 | |||
12月29日 | 土 | S5.5km | ||
12月30日 | 日 | R25.2km | 5 | ▼ |
12月31日 | 月 | |||
1月1日 | 火 | |||
1月2日 | 水 | |||
1月3日 | 木 | |||
1月4日 | 金 | St | ||
1月5日 | 土 | S2.5km | ||
1月6日 | 日 | R23.6km | 5 | ▼ |
1月7日 | 月 | S1km St | ||
1月8日 | 火 | |||
1月9日 | 水 | R11.6km | 4 | |
1月10日 | 木 | |||
1月11日 | 金 | |||
1月12日 | 土 | S2.8km St | ||
1月13日 | 日 | S2.6km St | ||
1月14日 | 月 | R20km | 5 | ▼ |
1月15日 | 火 | |||
1月16日 | 水 | R16.6km | 4 | |
1月17日 | 木 | |||
1月18日 | 金 | R9km St | 4 | |
1月19日 | 土 | |||
1月20日 | 日 | R23.4km | 5 | |
1月21日 | 月 | |||
1月22日 | 火 | R11.9km | 5 | |
1月23日 | 水 | R26.3km | 6 | |
1月24日 | 木 | |||
1月25日 | 金 | R11.5km | 6 | |
1月26日 | 土 | |||
1月27日 | 日 | R30.5km | 7 | |
1月28日 | 月 | R3.2km St | 7 | |
1月29日 | 火 | |||
1月30日 | 水 | R12.1km | 8 | |
1月31日 | 木 | |||
2月1日 | 金 | R12km | 9 | |
2月2日 | 土 | |||
2月3日 | 日 | R42.195km | 10 |
グラフにするとこんな感じです。
12月22日までは順調に回復したのですが、そこで再び負傷してしまい、1月22日まで故障箇所のあちこち連鎖が発生しました。
ケガの功名でベスト更新
今回、ケガの心配がなくなったのが1月22日くらい。そこから、先はぐーんと状態が良くなっています。これは、ケガの連続により走る距離は稼げなかったものの、一回一回の練習はそれなりに心拍数を上げていたので、脚力や体力はキープできていたのではと考えています。具体的には、脚の筋力、持久力(毛細血管の働きなど)、心肺機能などのベースは高まっていたのではと思います。そのため、大会まで残り10日間しかありませんでしたが、ベストを狙って走れるコンディションに持って行くことできたのではないでしょうか。
結果論ではありますが、走りながら治すやり方を選択して良かったと思います。走行距離が直近の3ヶ月で500km程度でフルマラソンでベストを更新できたことは奇跡です。地獄をさまよう気分から、天国に昇る気持ちを味わえました。
これは、きっとマラソンの女神が特別に微笑んでくれたのだと、思います。つまり、たまたまです。たまたま、気まぐれで微笑んでくれた。繰り返しになりますが、やっぱり故障はしっかり治して、練習やレースに臨むのが良いでしょう。
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