晴れ時々走れ

マラソン、トライアスロン、人生について

フォームのカギは不安定①

ちょっと前になりますが、走り方について「ああ、そうか!」と開眼したことがあります。結論から言うと「不安定なフォーム」こそが推進力を生むということです。

 

ランナーのみなさんは身体の軸がブレずに「安定」したフォームを求めていると思います。必要以上に蹴らず、無駄のないストライドでピッチを刻んでいくフォームです。最小限のエネルギーで着実にラップを重ねていく。途中で潰れることを防ぐことが何より大事な市民マラソンでは定石だと思います。

でも、あるとき、荒削りだけれど伸びやかに走っている若者を見て、惹かれるものを感じたんです。前へ前へと推進力があり、とても「動物的」なんです。

一方で、自分をはじめ熟練市民ランナーの走りは綺麗で堅実なフォームだけれど面白みがない。その違いは何だろうと考えて、ある考えにいきつきました。

 

それは、「不安定」な姿勢こそが勢いを生んでいるということです。

「不安定」な姿勢はストップモーションをかけたら転んでしまいます。でも、その「不安定」な姿勢があるからこそ、転ばないように次の動作がダイナミックに立ち上がります。つまり、「不安定」な連続運動こそが躍動感と推進力になっているんです。

 

そうやって考えれば、他の競技においても同じようなことが言えます。スキーやスケートの運動はランニング以上に不安定な状況です。コーナーワークでは身体を遠心力を利用して倒しながら次のステップを出していきます。それでも転ばないのは、転ぶ前に次のステップに繋げているからです。

 

水泳でも同じことが言えます。クロールで入水してキャッチするとき、もう一方の手はリカバリーを行い身体はローリングして不安定な姿勢です。それでも溺れないのは傾いた身体を利用して次の手を入水するからです。

大人になってから水泳を学んだ人は不安定な姿勢を怖がります。その結果、ローリングが少なく、入水してからの伸びがありません。アヒルボートが両軸を回しながら前に進むような感じの泳ぎになってしまいます。

 

では、走りにおいて「不安定」な姿勢は何が良いのでしょうか?

まず、「不安定」な姿勢は身体がリラックスした状態でもあるので、骨盤や腰回りの回転運動をしやすくなり、その結果、ストライドが伸びます。一歩一歩の移動距離が長くなります。

 

次に、「不安定」な姿勢は推進力につながります。人間は転びそうになったら、自然と転ばないように次の足を出します。「安定」した姿勢では自らの筋肉を使って蹴って推進力を生み出さなくてはいけませんが、「不安定」な姿勢は重力をうまく進行方向にも分配している感じです。

 

最後に、「不安定」な走りは疲労が分散します。安定したフォームだと使う身体の部位は同じ場所ばかりになります。でも、不安定なフォームでは右の側筋を使ったり、左を使ったり、ふくらはぎを使ったり、太ももを使ったり、身体のいろいろな部位を使うので、結果的に疲れが分散します。

 

個人的な感想ですが、市民ランナーの熟練者はフォームを固定しすぎているように思います。常に同じように足を出して蹴っての連続では退屈な感じがします。

 

実際、私自身こうした「不安定」なフォームを意識してから、毎年ベストタイムを伸ばしています。そして、何より、こうした走りは楽しいんです。動物の躍動的な走りは瞬間、瞬間が「不安定」な状態です。人間のランナーももっと「不安定」を楽しめば良いのではと思っています。

 

次回は「不安定」な走りのテクニック編です。

 

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