5000km履いたシューズとの別れ
長くお世話になったシューズとサヨナラしました。この4年間、練習でほぼ履いていたシューズです。
それが、こちら。アシックスのターサーです。恥ずかしいくらいにボロボロです。
多く見積もって7000km、少なくとも5000kmは走りました。良く走りました。沖縄と北海道の往復以上の距離になります。
ソールはペラペラのツルツルです。グリップを効かせる黒い突起物は削れてなくなり、黄色のアウトソールも磨耗して、白いミッドソールが現れています。
シューズの布部分は、甲の上にあたるアッパーが横に破けています。親指の部分は穴が空き、小指の部分も切れ目が入っています。
シューズの中ではインソールの拇指球と小指球のあたりが削れてへこんでいます。
よく、ここまで履き潰したねと言われますが、実はここまで来ると逆に快適です。シューズの外側はバレエシューズのように柔らかく足を心地良く包み、インソールはまるでオーダーメイドしたかのように自分の足型にジャストフィットします。履いていることを忘れるようなシューズとはまさにこのことです。
クッション性は全く期待できないので脚への負担はかかりますが、逆に足を痛めないように走り方が上手になります。クリストファー・マクドゥーガル氏の名著、BORN TO RUNに出てくる、古タイヤの草履で何十キロも走るメキシコ・タラウマラ族の如くです。
BORN TO RUN 走るために生まれた ―ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”
- 作者: クリストファー・マクドゥーガル
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2012/07/31
- メディア: Kindle版
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
それにしても最近のランニングシューズは頑丈で壊れないですね。靴が「ワニやカニになる」と表現することがありますが、なかなかそんな状態には辿りつきません。ちなみにワニはソールがベロンと剥がれてつま先で口を開けること。カニは小指の辺りが裂けて分離してしまうことです。
みなさんはどのくらいでシューズを交換しますか?履き潰されたシューズを調べてみました。ロンドンオリンピックマラソン代表の藤原新さんに関する記事を見つけました。人気のナイキのVAPOR FLY 4%で2000km走ったそうです。
It’s ok,
— 藤原 新 (@arata_run) 2018年2月19日
they are not still broken in two yet.
大丈夫っしょ、真っ二つにぶっ壊れてる訳じゃないし、まだ履けんじゃね(意訳)#breaking2 pic.twitter.com/VVKNhUqH6d
トップランナーの藤原さんでも泥臭くシューズを履き潰していて嬉しくなりました。それにしてもシューズの寿命っていったいどのくらいなんでしょう?でも、これが明らかになるとメーカーにとっては売れなくなるので難しい問題ですね。技術の進歩で耐久性が良くなるほど、購入のスパンが長くなってしまう。
さて、ボロボロのシューズを履き続けた理由はもう一つあります。それは、愛着です。この4年間の練習、そして、このシューズで踏みしめた各地の光景が、その季節の風や匂いとともに思い出されます。
しかし、ついに処分することになりました。理由はレース用シューズを4年ぶりに新調したからです。物を増やすのが嫌いなので、何か新しいモノを購入したら、そのぶん古いモノを捨てることにしています。そうして、一つの可燃ゴミとして運ばれていきました。
これまで晴れの日も雨の日も風の日も、春夏秋冬にわたって私の足を支えて守ってくれて、ありがとう、さようなら。