驚異のラケットナン
本日はグルメなお話。
フルマラソンならぬ、フルナンをご存じでしょうか?大食漢のランナーでさえ、たじろいでしまう代物です。
先日、大阪城公園で30km走をした後にランニング仲間と食事に行きました。京橋にあるカトマンドゥというカレー屋さんです。ナンが美味しくて人気があり、この日も満席で15分ほど並びます。店に入った瞬間、香辛料の香りが鼻を刺激します。ムホッとややむせ返るくらいですが、辛いもの好きにとってはたまりません。
この店ではナンをフルかハーフか選べます。友人が以前、アップしている写真を見て、ナンが大きいことは知っていました。テニスラケットのような姿から、仲間の間では「ラケットナン」と呼ばれています。30kmも走ってお腹を空かせていたので、もちろん、フルナンを頼みます。
待つこと、十数分、満を持してやってきたナン。
おおお、これは!ラケットナンの噂に違わぬ大きさ!バターの香りがたっぷりで食欲をそそります。なかなか食べ応えがありそうです。
と、思っていたら、実はこれがハーフなのでした。友人3人が女性を含むとはいえ、皆さんがハーフを頼んだ理由が分かりました。そして、遅れてやってきたのがフルナンです。
びっくり唖然、弩級の大きさ。カレーを載せている銀皿が見えません。もはや、どう撮れば大きさが伝わるか分かりません。画角におさめるのが精一杯です。
ラケットナンについて勘違いをしていました。これまでフルだと思っていたものはハーフに過ぎなかったのです。こうしてフルマラソンならぬ、フルナンの過酷な食レースが始まるのでした。
まず、ナンをめくってみます。ちゃんとカレーがありました。あと写真では見えませんが、ご丁寧にサフランライスまであります。
味はカレー、ナンとも抜群に美味いです。
ただ、相手はラケットナン。ペース配分が大切です。最初からガツガツいかず、ゆっくり様子を見ながら食べ始めました。食べ始めて発見があります。このナン、想像以上に分厚くモチモチしていて、歯ごたえがあり、噛むほどに甘みが口の中に広がっていきます。まるっきり自分の好きなタイプのナンです。が、このときばかりは、ローマ風のピザのようなパリパリの生地が恋しくなりました。
オーダーしたとき、ネパール人のシェフが不適な笑みを浮かばせていたそうですが、負ける訳にはいきません。一歩一歩、ならぬ、一噛み一噛み、前に進みます。
こちらもロングランでしっかりとお腹を空かせています。香ばしいカレーとナンは食欲をそそり、中盤までは順調なペースを刻みます。しかし、ここで一気にペースが落ちます。ナンがなかなか減りません。実は、ラケットナンのグリップ側から食べ始めたのですが、だんだんと横幅が広くなっていくので、食べても食べても、見かけ上、前に進まないのでした。
見た目で減らないのは精神的ダメージが大きいです。そこで、カレーだけでなく、副菜でついていたケバブを投入。食味に新鮮さを加えて乗り切ります。
しかし、試練はまだ続きます。歯ごたえのあるナンを噛み過ぎて、アゴが疲れて動かなくなったのです。マラソンでいう30km過ぎで脚が止まってしまう状態です。噛めないから、飲み込めない。ここで、ようやく水を投入。喉ごしを良くして、流し込みます。前半戦で水を極力、抑えていたのが功を奏しました。
そんなこんなで、ハーフナンを食べた友人たちに遅れること20分でフィニッシュ。
最後のサフランライスが本当に余計でしたが、ナンとかナンを食べきりました。くだらないダジャレが出てしまうほど頭がハイになります。
ちなみに、ナンは食べ残しても持ち帰ることができます。その際は、プラス30円が必要です。ペナルティという訳ではなく、テイクアウトに必要な容器代だと思います。
大阪城を走った後は、ぜひラケットナンに挑戦してみてください。
食後はしばらくカレーを遠慮したい気分でしたが時間が経つほどに感動を思い出します。そんなところまでマラソンと同じです。
ごちそうさまでした。