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晴れ時々走れ

マラソン、トライアスロン、人生について

山と狩猟採集とラテン気質

先週の日曜日、今年初めて、友人と六甲山に登ってきました。宝塚からスタートしてトレイルの道を登り、六甲山頂を経由して丁字ヶ辻で折り返すコースで、往復35kmくらい。山に入ると生き返った心地がします。緑が目を潤して、森の空気に心がリラックスするからだと思いますが、それ以上にもっと人間の根本的な部分で身体が反応している感じがします。

 

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最近、読んだサピエンス全史によると人間は元来、狩猟採集民族で、農耕が発達するまでの100万年以上、自然のなかを歩き、ときには走って食べ物を集めていたのです。それに比べると農耕民族の時代はたかだか数千年、産業革命以降で200年あまり、電脳社会に至っては数十年しかありません。よって、いまも人間のDNAは狩猟採集民の頃のものが基本となっているそうです。

 

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

 

 

確かに足の裏でデコボコを感じながら不整地を走り、転ばないように周りの景色に視点を動かしていると忘れていた感覚が呼び戻された感じがします。現代社会では、あちらこちらに目を配って危険を察知する必要はありません。交通ルールなどは視覚的に分かりやすく設計されていて、その状況に即して判断をすればかなりの確率で安全が担保されます(たまに、暴走した車が突っ込んできますが)。

また、食べ物が落ちていないか、隠れていないかと道端に目を配ることもありません。能動的に何かを探しだす必要はなく、せいぜいスーパーで総菜の半額シールが貼られているのを素早くキャッチするくらいです。

森の中に入ると、普段の生活で使わなくなってしまったけれど、もともと持っている能力が呼び覚まされます。それが、おそらく気持ち良い刺激を身体感覚として生んでいるのだと思います。

 

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さて、この日はちょうど六甲縦走路でキャノンボールが開催されている日でした。

 

go-kenkoudou.com

 

このキャノンボールというレースは、エンジン以外はどんな動力を使っても構わないというルールを掲げている個性的な大会です。自転車、スケートボード、馬など、エンジンがなければ何でもありだそうです。春と秋の年に2回、開催されていて、今回は「スピード」部門が宝塚から須磨浦公園までの片道56km、「パワー」部門が須磨浦公園から宝塚の間を往復する112kmです。そのほとんどが、急勾配の山道か、エグい階段か、舗装された坂道です。

 

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まだ、一度も参加したことはないのですが、奇特なルールは知っていました。そして、こうした手作りの大会独特のネタだろうと思っていました。

ところが、道中で本当に様々な移動手段で挑戦している選手に出会って驚きました。

まずはマウンテンバイクを担ぎながら山道を這い上がっていた5人くらの男女による集団。登りでは渋滞を引き起こしてちょっと迷惑でしたが、下りではマウンテンバイクで颯爽と降りていました。でも、足で走って降りても同じくらいの速さでした。そのメリットと担いで登るデメリットを比べると・・・。でも、そんなことを言うのはきっと野暮なのでしょう。その後も、マウンテンバイクを担いでいる強者どもにたくさん巡り会いました。

 

次に、ロードレーサーを担いで登っている方もいました。マウンテンバイクより縦長で持ちにくいうえ、「ロード」に特化したスリムなタイヤでは山道への適応力ゼロです。六甲山頂付近の舗装路では活躍しそうですが、六甲縦走路は全体を通して一番軽いギアでも登れない舗装路が多々あります。苦行をあえて行う姿に健闘を祈らざるを得ませんでした。

 

そして、一輪車を担いでいる男性。こればかりは、舗装路の下りでも乗れないと思います。わずかにあった平坦な道で、ここぞとばかりに一輪車を走らせていました。ネタとして担いでいるというよりは、結構、本気の格好でした。強固な信念に基づいての行為なのだと真摯に受け止めました。

 

さらに、大人だけではなく、小学生らしき少年もいて、とても目立っていました。なぜなら、制服姿でランドセルを背負っていたからです。大人でもノックダウンする片道56kmの道のりを踏破するスーパー小学生・・・。

 

このように、びっくりな人たちばかりが登場するのです。キャノンボールはジャンルでいえばトレランなので、自然を愛するネイチャー系の人々が集まるかと思いきや、思いっきり文化祭のようなお祭りの雰囲気なのです。そして、それぞれの奇特な参加者たちは、笑かそうと一生懸命アピールするというよりは、自然体でおかしな格好をしていてとても好感を持てました。友人いわく、「人生を楽しむ、ラテン気質こそ関西人の気質」。

 

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「カルペ・ディエム(carpe diem)」というラテン語を思い出しました。紀元前1世紀のローマの詩人ホラティウスの言葉です。「その日を掴め」という訳で、「今を楽しめ」という意味が込められています。

やっぱり今を生きるという姿勢は大事ですね。日本人はつまらないしがらみと世間体を気にしすぎていますが、もっと、自分の気持ちを発揮した方が良いのだと思います。ことの善し悪しはあれど、籠池さんを見ていても、どこかラテン気質を感じるところもあります。

ということで、キャノンボールめっちゃ出たくなりました。

どうやって楽しもうか、今から楽しみです。

 

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