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晴れ時々走れ

マラソン、トライアスロン、人生について

すごいよ、フェルプス

水泳

プールに行ったら、いつにもましてスイマーが多く混雑していました。しかも、水飛沫をあげながらガンガン飛ばして泳いでいます。ふふふ。おそらく、オリンピックを観て刺激をうけているのでしょう。そういう自分もファイナル進出者のような気分でプールサイドを歩いていたりします。

 

よく「感動をありがとう」と言いますが、ある種の感動は思いだけに留まらず、人を行動に促します。そんなふうに地球の裏側にいる赤の他人に行動させるなんて、オリンピックの力はつくづくすごいと思います。

 

今回、リオデジャネイロオリンピックの競泳で最もしびれたレースは男子200m個人メドレー決勝でした。3レーンにぺレイラ(ブラジル)、4レーンに王者フェルプス(アメリカ)、5レーンに世界記録保持者のロクテ(アメリカ)、6レーンに400個メで金メダルの萩野と役者が揃いました。

ぺレイラは30歳で3大会連続、ロクテは32歳で4大会連続、フェルプスは31歳で5大会連続のオリンピック出場。世代交代の激しい水泳界において10年というスパンでトップに立ち続けたレジェンドたちに萩野が堂々と勝負をするわけです。

準決勝を終えたとき萩野は、インタビューで「決勝ではすごい泳ぎを見せますよ」と不敵な笑みを浮かべていました。おそらく気力体力が充実していて、フェルプスたちが築いた時代を塗り変える自信が漲っていたのだと思います。

 

ファイナルでのそれぞれの選手の登場も個性が表れていて格好良かったです。

大歓声のなか白と緑と黄を基調にしたさわやかなブラジルカラーのウエアで登場したぺレイラ。黒のダウンコートを着て神妙に集中した顔つきで登場した萩野。Tシャツをラフに着こなして悠々と登場したロクテ。そして、巨大ヘッドフォンをつけてプールガウンの下になぜかハイソックスの靴下を覗かせながら登場したフェルプス。他の選手がこの格好で登場したら怪しさ極まりないところですが、フェルプスだとそれも個性に感じられるから不思議です。これが王者のオーラでしょうか。

 

萩野がどんなレース展開でレジェンドたちと勝負をするのか。果たして時代が変わるのか。歴史的瞬間にワクワクしながらスタート。ドルフィンキックから浮き上がると、ぺレイラ、ロクテ、フェルプスがものすごいピッチのストロークで一気に抜け出ました。確かにこの3人はバタフライが強い選手ですが、萩野が想像以上に差をつけられています。ぺレイラ、ロクテ、フェルプスの順でターン。

萩野が得意のバックに変わってもそれほど差は縮まらない。バックのスペシャリスト、ロクテが1位でターン。100分の1秒差でぺレイラとフェルプスが追う。3人が横一線で凌ぎを削るすごい展開です。

ブレストでフェルプスが少しずつ抜け出します。ぺレイラ、ロクテは疲れていますが何とか粘って続きます。

フリーに入って力を溜めていた萩野が追い上げていきます。ぺレイラ、ロクテは前半で力を出し尽くして、すでに水に浮いています。萩野が次々と順位を上げていくがフェルプスとの差は縮まらない。それどころかフェルプスはさらにターボをかけて一人旅。結局2秒近くの差をつけてフェルプスが別次元の泳ぎで圧勝しました。

 

レーンロープにもたれ、さすがに疲れた表情を見せながら、指4本を水面でひらひらとさせるジェスチャーがあまりにも格好良く感じられました。これまでのフェルプスは雄叫びをあげるなど感情がほとばしるポーズが多くありましたが、衰える体力に打ち克って成し遂げた4連覇の達成感の偉大さが今回のゼスチャーにありました。

 

地元ブラジルのぺレイラや世界記録保持者ロクテもおそらく現役最後のレース(もしくは最後のオリンピック)だったと思います。全力をかけて金メダルを獲りにいく積極的なレースを見せました。そのため最後は沈んでしまいましたが、見ているものを興奮させる本当に見事な泳ぎでした。

一方で、萩野の銀メダルは快挙ですが、最初から金メダルは明確には狙っていなかったと思います。このメンバーで金メダルにこだわって泳ぎを崩してしまうと、メダルなしの可能性が高くなります。400個メで素晴らしい泳ぎを見せて金メダルをとりましたが、次の200mFrでは、前半に気負いすぎて後半に失速して7位に終わりました。これまでのレース結果を考えた結果、200個メではクレバーに自分のペースを守って泳ぐことを選択したのだと思います。

ただ、アラサーの3人のスイマーが果敢に挑むなか、そこに萩野も加わってもらいたかったと、テレビの向こうで観ている外野の応援団は思ってしまったりもするのでした。

 

その後、メダル授与式を終えて・・・。銀メダルの萩野と銅メダルの王(中国)がプールサイドでメディア撮影に応じるなか、そこにフェルプスの姿はありません。まもなく始まる100mBuの準決勝に出場するため、すでに準備に向かっていたのでした。

そして、疲労マックスの状態の準決勝で50mを8位で折り返したフェルプスは、最後は帳尻を合わせるかのように2位でフィニッシュして決勝進出。かっこよすぎる。これまでのメダルラッシュフェルプスも好きでしたが、一度引退して復帰してから30歳を過ぎてもレースを制していくフェルプスの姿に強く心を震わせています。

 

そんなフェルプスのダイナミックなフォームを目に焼き付けて、自分も速くなった気分になってプールで泳ぐのですが、ペースクロックを見ると現実は甘くありません。それでも、200mでいつもよりは5秒は速く泳ぐことができて、地球の裏側でオッサンは小さな満足をするのでした。

 

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