【生駒トレイル】山に入る歓び
きのうは「山の日」でした。日々、アスファルトと鉄筋コンクリートの世界で暮らしていると、無性に山に入りたくなるときがあります。人間も動物であり、自然を欲するのは一種の本能でしょうか。
先日(7月24日)、友人に誘われたことをきっかけに生駒トレイルランニングに参加してきました。京阪私市駅近くの水辺広場から信貴山まで、生駒山系を北から南へ30km走ります。大会の前夜は久しぶりにワクワクして眠れませんでした。
当日の朝は快晴。日差しも強く、すでにうだるような暑さです。
朝9時にスタート。順位を競わないのが、この大会の良いところです。ゆっくりとトレイルを味わいながら一歩一歩踏みしめていきます。
前半は上り基調が続きます。不整地を走ると普段とは違う筋肉を使うので心地よく感じます。日常生活はもとより、アスファルトを走る感覚とも異なります。いかにいつも限られた筋肉しか使わずに生活しているかが分かります。筋肉や神経が少しずつ野生を取り戻し、膝が笑いながら喜んでいます。
コースは変化に富んでいて面白かったです。トレイルを中心に田舎道やなんと!墓地も通っていきます。そして、夏山は景色が美しい。木々の緑は生命力に溢れています(途中は草ぼうぼうで大変でしたが)。水面に写る夏空の色に目が癒されます。
登りではこれでもかと汗が噴き出ますが、水辺の周りではスウッと引いていく爽快感も格別です。
山の中には普段、目にしないものも現れます。巨大なアリやゴルフボールのような形の奇妙なキノコ。
人間が作った意味不明のキノコもあります。しのデザインからは、スーパーマリオ全盛の時代に作られたものと推測されます。ただ、色はくすんで遺跡のような趣きを感じさせていて独特の味わいがあります。いったい何に使っていたのでしょうか?
日常の世界の隣に、寄り添うように存在するもう一つの世界。トンネルや橋は二つの世界をつなぐメタファーのよう。
トンネルや橋は未知の世界への入り口。そこを進むと何があるのか、期待や不安を盛り上げてくれます。
上り下りをひたすら繰り返すうちに、素晴らしい見晴らしが現れます。絶景!雲がとても近く感じられます。
標高642mの生駒山でもこんな光景が見えることに驚きます。そして、山の上は想像以上に涼しい。さわさわと爽やかな風が吹き抜けます。
さて、この大会ではエイドステーションが用意されていて、レモンの砂糖漬けがあまりに美味しくて感動しました。繊維質の皮を噛むごとに、キリッとした酸味と甘味が消耗した身体に染み渡ります。
練習不足のなかのロング走でヘロヘロになり、途中から足の爪も死んで苦行になりましたが、心はぐっと生き返りました。山は偉大ですね。
ああ、また山に入りたい!