晴れ時々走れ

マラソン、トライアスロン、人生について

断捨離 思い出のCDたち

今回、自宅にあるCDを断捨離しました。

ネットで評判の高い駿河屋さんで200枚ほど処分しましたが、その見積もり額が興味深かったので、値段が高かった順に1位から3位までのCDを紹介します。

 

第1位

ビヨンド 「超越」

 

無骨でストレートなロックの香港バンドです。高校生の当時、深夜テレビで中国や香港のロックの特集があり感化されて購入しました。ちなみに「The Wall 長城」のイントロは「進め!電波少年」のオープニング曲に採用されました。聴けば、すぐに分かると思います。

超越

 

第2位

OKI DUB AINU BAND 「サハリンロック」

 

アイヌ民族の血をひくOKI。民族楽器のトンコリをエレキ仕様にして現代音楽と融合したグルーヴ感がたまりません。トンコリのルーツであるサハリンを旅して制作したアルバムです。

 

SAKHALIN ROCK

 

第3位

冨里康子 「USTHOUI」

与那国島の民謡を研究していたおばぁのアカペラ民謡集。いわゆる有名な沖縄民謡とは違う、島の土着の民謡で、抑揚のない独特のリズムの歌を聴いていると魂が不思議な共鳴を始めます。紅型模様のジャケットが素敵です。

 

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この3枚を見渡せば、我ながら意外なCDに高値がついたことに驚きました。逆に、世間一般で人気のアーティストのCDは邦楽、洋楽問わずほとんど値がつかず、ゼロ円査定も多くありました。値がついたとしても数十円程度。なけなしの小遣いで買ったCDがブラックサンダー1個分かと思えば、戦後の闇市で食料を得るために家財を売る人たちの苦労に思いを偲ばせたりもします。

 

ところで、CD断捨離で需要と供給の原理をあらためて認識しました。

多くの人に支持されるポピュラーな音楽には普遍的な価値があります。しかし、供給量も多いため単価は安くなります。一方で、マイナーな分野のCDはもともと供給量があまりありません。ただ、人間の興味は実に様々でどんな分野でも需要があります。そして、ニッチであればあるほど熱烈な支持者がいます。希少さ熱烈な支持者によって価値が上がり、単価はグンと高くなります。

音楽の多様性についても考えました。人間の関心や興味は多様です。それは音楽に対しても同様です。世界がグローバル化して音楽は平準化するのではなく、逆に多様性が深まっているように感じます。そして、そんな音楽を評価する人がいます。今回の3枚のCDを見ても、香港ロック、サハリンロック、与那国アカペラ民謡、なんとも個性的なラインアップです。

 

これらのCDを聞き直してOKIさんと冨里さんのCDは手元に残すことにしました。サハリンと与那国。辺境の文化に根差した音楽の魅力を再認識したからです。

 

一方で、今回の断捨離では結局、多くのCDを処分しました。

パソコンにコピーして、サイトで金額を査定して、それぞれの思い出に浸っていると週末の2日間が犠牲になってしまいした。その時間コストを無駄だと思うかもしれませんが、久しぶりに取り出したCDのジャケットを眺めながら聴く時間は時間を忘れさせてくれました。

10代から20代にかけて積み上げてきたCDの山に対して、40代の今、一枚一枚に感謝とサヨナラをしながら減らしていく。最終的に手元に残したCDは好きなアーティストのものではなく、そのCDに思い出が詰まったものでした。

そんなこんなで断捨離を終えましたが、心がスッキリすると同時に、音楽を見つめ直すきっかけになりました。

 

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