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晴れ時々走れ

マラソン、トライアスロン、人生について

追悼プリンス

プリンスが亡くなった。これまでのどのアーティストの訃報よりもショックを受けている。


青春時代に聴いた音楽は特別だ。小遣いに余裕のないなか買った輸入盤のベストCD。何度も何度も音飛びするほど聴いた音楽はそれこそ身体と脳ミソに染み込んでいる。
 
The Hits 1
 

The Hits 2

 

 

Controversyのクールな囁き、1999やLet's Go Crazyの昂るリズム、KissやLittle Red Corvette の溢れる妖しさ、そして荘厳なPurple Rain。I Would Die 4 U のような独特なプリンス語やスタイルも超絶に格好良かった。
 
しかし、プリンスと初めての出会いは上記のいずれでもなく、映画バットマンのサウンドトラックに収められているBat Danceだった。しかも、その曲を知ったのはタモリ倶楽部空耳アワーだった。
 
高校生の当時、深夜番組をよく観ていて、なかでも水曜深夜のタモリ倶楽部空耳アワーは家族が起きないよう笑いを押し殺すのに必死だった。数々の秀作が手拭いしか貰えないなか、バットダンスは自分が観たなかでは初めてジャンパーを獲得した作品だった。演出の面白さが抜群だったのと、Don't stop dancing の発音があまりにも日本人の聴覚を超越していた。一方で、楽曲の格好良さにも痺れてプリンスの名前が刻み込まれた。
 
 
ちなみにプリンスのLet's Go Crazyも空耳アワーで取り上げられた。曲の始めに「宙ぶらりん」と言っているのでぜひお聴き下さい。
 
その後、実家のある小さな街のスーパーにあった輸入盤ワゴンセールで買ったのが冒頭のCDだ。そして、そのCDとディスクマンを携えて埼玉から仙台まで大学受験に行った。
 
なぜか青春18切符を使って普通列車で移動したので、6時間以上も電車に揺られながらプリンスの曲を聴いていた。2枚のアルバムを順に聴いてラストにあたる36曲目がPurple Rain 。'I only wanted to see you laughing in the purple rain'で感極まる。東北本線の車窓を眺めながら、冬の里山の景色とまったく合わないプリンスの曲をヘビーローテションで聴いた。受験はめでたく落ちた。
 
プリンスを聴くと今でも、その当時のことを思い出す。先が見えずにモヤモヤしていた。しかし、プリンスの曲は世界へアクセスする扉を開けてくれた気がする。これまで知らなかった音楽の存在を知ったように、世界にはまだまだたくさん知らないことがあるんだよ、と。これから色々な世界を自分の目で見なよ、と。インターネットのない時代、田舎の高校生にとって一枚のアルバムにはそのくらい力があった。
 
浪人時代もプリンスを聴きまくった。中古のアルバムを何枚か購入して、ちょうど新作のアルバムThe Gold Experienceが発売された。Endorphine Machineは当時、格闘技ブームで人気を博していたK1のテーマ曲に採用された。アンディ・フグアーネスト・ホーストら錚々たる格闘家たちの登場にふさわしい。これまでのセクシーさとは違う、ほとばしる焔のようなシャウトに何度も奮い立たされた。
 
The most beautiful girl in the worldの名曲も久しぶりに聴いてみた。娘が生まれた今、少女を娘に置き換えると涙が出そうになる。
 
あらためてMVを観るとプリンスの女性へのリスペクトを感じる。プリンス自身もより中性的な領域に入っていた。マッチョが持て囃されるアメリカで中性的なスタイルでパフォーマンスを行うことには、覚悟が必要で、色々なメッセージが込められていたと今さらながら思う。
 
そういえばプリンスはこの頃、名前も失っていた。あの男性マークと女性マークを融合したシンボルをよく予備校のテキストに落書きしていたものだ。
 
思い返せば、洋楽の知識の半分は空耳アワー、半分はジョジョの奇妙な冒険に教えてもらった。多くの友達がJPOPを聴くなか、タモリ倶楽部をきっかけに18歳の自分はプリンスに出会った。その巡り会いに感謝したい。
 
いつもセクシーで偉大だったプリンス。今の自分があるのはあなたの曲があったから。

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