鯖街道2018③業務スーパーのミニ大福
前回はこちら。
今回は後編です。
花脊峠を越えるとトレイルに別れを告げます。激坂の舗装路を下って洛中へと向かうのですが、この辺りから私設エイドが次々と姿を現します。
坂を降りているとリコーダーの音色が流れてきました。近づいてみるとお姉さんの生演奏でした。風変わりなエイドに思わず脚を止めて寄らせてもらいました。
置いてあるものもユニークです。一口サイズのお餅がありましたが、これが最高に美味しかったです。疲れて火照った身体に甘さと冷たさが染み渡ります。思わず、何個もほおばってしまいました。
左はずんだ、右はごまだれ。特にごまだれが好みでした。濃厚なゴマがとろけて口の中に広がると、甘ーい糖分が脳みそを刺激します。「こんなに美味い餅、食べたことない。さすが京都のもんはちゃうわ」と思いました。
どこのお店のものか訪ねたところ、答えはまさかの「業務スーパー」。1kg単位で売っている超格安の冷凍食品なんだそうです。
ネットで調べたところ、すごい代物でした。
それは「冷凍の餅シリーズ」。なんと約50個入って300円前後で売られていたのだ!1個あたりのお値段はなんと6円である。マジかよ、日本経済が狂ったのではないかと思う安さ。
1個6円ですよ。6円で脳みそまで痺れていたわけです。10個食べても60円です。100個食べても600円。
餅自体の美味しさと同時に、業務スーパーというインパクトが大きくて目が覚めるような思いでした。ありがとうございました。リコーダーの演奏もほんわかと癒されました。
さて、さらに少し降りると聞こえてきたのはサザンオールスターズ。サザンは海のイメージがありますが山で聞いてもいいですね。フェスな感じのエイドはノリの良い皆さんでした。コーラを頂きました。ありがとうございました。
まだまだ続くエイド巡礼。
鞍馬に降りると鞍馬寺の参道に公式エイドがあります(写真撮り忘れ)。そして、鞍馬を過ぎてから現れたのが人だかりのエイド。
こちらはかなりバラエティ豊かな品揃え。10年ぶりくらいにフルーチェという単語を見ました。ここではおにぎりを頂きました。塩っ気があってとても美味しゅうございました。ありがとうございました。
市原まで降りると公式エイドです。このあたりから、京都の街中の気候に近づいてくる感じがします。すなわち、気温と湿度がじわじわ上向いてきます。オレンジとトマトを頂きました。とても瑞々しくて喉が潤いました。ありがとうございました。
数kmいくと「虎エイド」という看板。まったく阪神ファンではありませんが、スポーツドリンクを頂きました。ありがとうございました。
さらに進んでいくと、エイドへの呼び込みが行われています。なかなかな規模の予感です。コカコーラの旗かと思いきや、鴨川走遊会のみなさんです。
ここまで、コカコーラが似合うチームウエアもないのではないでしょうか。頂いたコーラは何割か増しで美味しく感じられました。ありがとうございました。
ちなみに、かき氷のサービスもありました。
舞台は鴨川の河川敷に移ります。
最後の公式エイド「西賀茂」。フィニッシュまであと5kmです。
最後のエネルギー補給としてバナナを頂きました。肉離れを起こしている脚が最後に回復したように感じました。ありがとうございました。
と思ったら、その先にもう一つ小さなエイドがありました。フィニッシュ地点はもうすぐですが、ここまでエイドを出してくれていることにいささか感動しました。
これまで食べていなかったミニトマトを頂きました。プチっと口の中で弾けて美味しかったです。ありがとうございました。
いくつもの公式エイド、私設エイドに寄らせてもらいました。どのエイドでもエネルギー補充に加えて、元気な気持ちをもらいました。それは、何よりエイドの皆さん自身が楽しんでやっているからで、その雰囲気がふわふわと伝わってくるからです。ゆるく、気張らず、自由でマイペースな感じに京都らしさを感じました。
走る人たちも奇特ですが、応援する皆さんもけっこうな奇特だと思います。風薫る5月の貴重な日曜日をつぶして、精一杯の時間と手間をかけて、見ず知らずの他人をもてなす姿に「人間ってええなあ、面白いなあ」と思いました。世界には様々な巡礼の道がありますが、鯖街道のエイドを巡る旅の雰囲気はここにしかないオンリーワンなものだと思います。
本当にお腹いっぱい、胸いっぱい、ご馳走様でした。
ありがとうございました。