晴れ時々走れ

マラソン、トライアスロン、人生について

【別大マラソン】足のマメが潰れたよ

第66回別府大分毎日マラソンに出場してきました。

立春をすぎた別府は街のあちこちに春の気配を感じました。マラソンシーズンも終わりが近づき、別大マラソンは冬場の練習の成果を発揮する決戦の舞台です。

 

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年に一度の勝負レースとして乗り込んだわけですが、フルマラソンではしばしば何かしらのトラブルに見舞われます。脚が動かなくなったり、低血糖によるハンガーノックであったり、お腹を壊してトイレに駆け込んだり。人生と同じでなかなか思うようにいきません。

 

今回、味わったのは「足裏マメ破裂」です。経験者の方は気持ちがわかると思いますし、未経験の方には後学のために参考にしてもらえたらと思います。

 

負傷箇所は右足のの拇指球です。

今から思えば悪条件が重なっていました。

まずは練習での走行距離の少なさ。走り込みが足りなかったので足裏の皮が貧弱でした。9月150km、10月240km、11月190km、12月170km、そして1月に少し頑張って250km。走りこむほど、脂肪が削がれ足全体が薄くなっていきます。そして、足裏の皮はぶ厚くなり野性味あふれる面構えになってきます。それに対して、今回はややむくんでドラえもんのようにふっくら。靴擦れを起こしやすい状態でした。

 

次に、レーススピード。別大マラソンは年に一度の勝負レースと位置付ける重要な大会です。ベストタイムを狙うべくいつもよりペースを上げて果敢に挑みました。その結果、足裏の皮膚に負荷がかかるました。

 

そして、気象条件。この日は湿気があり、途中で大粒の雨が降りました。靴の中の環境は蒸れて、足裏は皮膚がふやけていました。

 

さらに、独特のコース状況。別大国道(国道10号線)には別大名物のバンク(横傾斜)があります。海岸線に沿う片道3車線の道路はカーブが連続しますが、そこをスピードに乗った車を走らせるために道の外側と内側にかなりの傾斜をつけています。カーブのアウトコースは高く、インコースは低く競輪場のような設計です。

これは別大マラソンの醍醐味でもありますが足裏には負担がかかります。なにせ、油断するとすぐにインコースの一番下にまで落ちてしまうほどの傾斜です。落ちないように耐えると足裏に横方向の力が加わってこすれます。

 

こうした複合的な要因で事件は起きました。

 

ちょうど別大国道の途中、ハーフ手前で右脚の拇指球あたりに裂ける痛みが走りました。

「あ、マメが潰れたな」

過去に経験があるので、確信をもって分かりました。というか、右足を着地させるたびに画鋲を踏んだような痛みを覚えます。これまで30kmくらいで潰れたことはあっても、こんなに早くはありません。

「この痛みであと半分走れんのか?」

足をかばうため集団から離れてしまいます。

 

リタイアしようとも思いましたが、そこまで快調なペースで走っていたので勿体無い。ハーフの通過時間はおそらく過去最高で、このペースでいけば後半落ちたとしても確実にベスト更新を狙えました。

そして、もう一つ走り続けた理由は「痛みは消える」ことを経験上知っていたからです。過去にも同じようにマメが潰れたことがありますが、耐えているうちに痛みはマヒしました。

 

それでも、今回、5kmほどは苦行の時間が続きました。しかし、案の定、痛みは薄れていきました。人間の身体は不思議なものです。脳内モルヒネのような物質が和らげてくれるのでしょうか。

さらに「痛み」か「苦しみ」どちらかしか感じないことを発見しました。痛む時間帯は足の裏ばかりに意識がいって苦しさを感じません。一方で25kmすぎくらいから苦しい時間帯になると、今度は「苦しみ」が上回り「痛み」を忘れていきました。どうやら意識の階層は、何段かに分かれていて最上位のものを感じているときは、そのほかは意識下に収められるようです。

 

ただ、感覚的な痛みは消えても傷は消えていないので走りはバランスを崩し、脚やお尻の筋肉に負担がかかりした。30kmすぎからタイムがどんどん落ちていきます。それでも前半の貯金を食いつぶしながら粘って、粘って、粘りました。

 

沿道からの応援を励みに「ありがとう」と応えながら気持ちを保ちました。おそらく気持ちが切れた時点で痛みがぶり返して歩いていたと思います。

失速を最小限に抑えながら、ようやく競技場に戻ってきました。いつもはスパートをしかけてフィニッシュラインを気持ち良く走り抜けるのですが、今回はさすがに右脚を引きずるような形でしたので、そっと足を乗せるようなフィニッシュでした。それでも、何とか去年の別大で出したベストタイムを20秒ほど縮めることができました。

 

そして、シューズを脱ごうと右足を見るとビックリ。白いシューズの内側が真っ赤に染まっていました。レース中に気づかなくて良かったです。

 

ということでマゾヒスティックに武勇伝を書き連ねましたが、書きながら思ったのはやはり、別大マラソンという特別な舞台だったからこそ頑張れたのだということです。全国から、この日のためにトレーニングを積んできたランナーたち、そして、沿道で応援をして下さった皆さん、給水や医療などボランティアの方々のおかげです。今も足の裏の鈍い痛みを感じながら、名も知らぬ皆さんのことを思い出すのでした。

 

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別大マラソンは本当に大好きな大会です。去年の記事もご覧頂けたらと思います。来年もぜひ参加して全国のランナーと凌ぎを削ってベストタイムを更新できれば幸いです。

 

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